Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第8章 帰還■
コンコン
リヴァイの部屋をノックする。返事はない。
「...リヴァイ...入っていいかな...」
「・・・」
今はやはり1人にしておいた方がいいかもしれない。
そう思って踵を返そうとしたとき、キィィーーー...と小さな音を立ててゆっくり扉が開いた。
下を向いたままのリヴァイの表情は分からない。
ルーナは黙ってゆっくりとリヴァイの部屋に入って扉を閉める。
トスンとリヴァイはベッドに腰を下ろし、前かがみに頭を下に向けて座った。
ルーナはチラリともう1つのベッドに目をやる。
誰もいないそこはファーランのものだったはずだ。
「イザベルの荷物を届けに来たの。なにか形見になるようなものあるかもしれないから。」
「そんなものはない。」
「え、でも」
「全て捨ててくれ」
耳を澄まさなくては聞き取れないくらい、掠れた静かな声でリヴァイは言った。
「...わかった」
「アイツのものも全て捨ててくれ」
そう言ってクイと顎でファーランのベッドをさす。
「私がまとめちゃっていいの?」
「あぁ」
「...わかった」
ルーナは小さく頷いてファーランの私物を丁寧に袋に入れていった。
ベッドの隅に丸まっている本のようなものに手を伸ばした時、ピキッと怪我をした方の肩に鋭い痛みが走った。
「うっ!」
ルーナは短く呻き、肩を抑えた。