Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第45章 月の女神と太陽神
「ルーナという女神はね、輝く黄金の冠をしていて、額に月をつけているんだ。裾の長いドレスを纏っていて、背中に翼を持つ、絶世の美女なんだって!ルーナの姉ちゃんもきっとそんな感じかな?」
明るく言うその言葉にリヴァイは言葉を詰まらせる。
・・・そんなふうに映っていたことはある。
まさに今リンクの言った通りの姿が、自分を照らし続けていた、と。
だが…今は…
「ルーナ神には、兄がいるんだ。ヘリオスっていう太陽神さ。」
何も言わないリヴァイを他所に、リンクは楽しそうに話し出した。
「…兄がいるのか?」
「うんそうだよ!毎晩、兄である太陽神ヘリオスが西の空へ沈むと、妹である月の女神ルーナは2頭の白馬に牽かせた黄金の馬車に乗って天空に昇っていく。明け方になるとエオスという神と入れ替わってルーナは西の海に沈んでいくんだ。」
沈んでいく…
そしてまた入れ替わる…
その繰り返し…
それなら…
「その兄妹は、いつ会ってるんだ?」
リヴァイはリンクに疑問を投げかけた。
月の女神と太陽神という兄妹は…明らかに行き違っている。
なら、一体いつ会っているのかと。
「…うーん、それは僕も考えたことあるんだけど…」
リンクは考え込むように首をかしげた。
「…お互いの光の質が違ううえに強すぎて、会うことができないのかもしれない。もしくは沈んだ先で会っているのかも。朝の光を担うエオスという神が出ていてくれてる間だけ…」
沈んだ場所では互いに光を放たないから会うことが叶うのだろうか。
リヴァイはつい、自分たちに置き換えて考えてしまった。
月の女神と太陽神が自分たち2人なら、自分が前へ出ることによって2人を引き合わせてくれる朝の神エオスは…あいつのことか?
・・・柄にもないことを考えてしまった。
リヴァイは、子供が話す神話を真剣に聞いている自分に心の中で呆れた。
しかし、どうにもリンクが話すこの話しには興味をそそられる。