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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第45章 月の女神と太陽神


ウルフにかけていた水の入った水筒をリンクの手に重ねて持つ。

水を飲む音が聞こえるのか、リンクが満足気に笑った。


「ね、また乗ってもいいかな?」

「ああ。ほら。」


リンクを抱き上げてウルフの背に乗せ、リヴァイが後ろから包むようにして手網を引いた。
賢いウルフは緩やかな歩調で歩き出す。

リヴァイがふと後ろを振り返ると、微笑みを浮かべて座っているアリーが見えた。

「ねぇ、リヴァイ兄。」

呼ばれてすぐさまリンクに視線を落とす。

「なぁ、その呼び方はやめてくれないか。どうも聞き慣れねぇ…リヴァイでいい。」

それに…思い出しちまう…
"リヴァイ兄貴〜!" そうやって呼ぶあいつの顔を…


「いいじゃないか別に。それに年上の人に向かって呼び捨てはダメだよ」

「・・・」

俺はそんなこと考えたこともねぇぞ。
それどころか、てめぇとか豚野郎とかジジイとか薄ら髭とか…そんなふうにテキトーに呼んでいるってのに…

リヴァイは心の中で苦笑いした。


「ルーナの姉ちゃんは元気?」

突然出てきた名前にリヴァイの鼓動が一瞬大きく跳ねた。

「…ああ。」

元気…そういうことでいいのだろうか?
あいつは…心も体も本当に元気なのだろうか?

「ならよかったよ。でね、前に話しかけた続きなんだけど…」

そうだ、こいつからまだ聞けてなかったことがある。
リンクは元気な声で淡々と喋り出した。

「ルーナは月の女神の名前だって言ったね。ローマ神話に登場する女神なんだ。ルーナっていうのはラテン語。それでね、他にもセレーネやアルテミスっていう月にまつわる神がいるんだよ。」


「神…」


地下で出会った3人とした会話を思い出す。
神はいない…結局俺もあのガキ共も、そう結論づけた。
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