Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第45章 月の女神と太陽神
気が付くと、アリーは立ち膝をし、リヴァイの頭を優しく包み込んでいた。
リヴァイが額から手をずらしたのと同時に、アリーはハッとなったように腕を引っ込めようとしたが、グイッと引き寄せられる。
その衝動でアリーの立ち膝は崩れ、リヴァイの上半身にのしかかるように首にしがみつく形となった。
「…っ…リヴァイ…」
リヴァイの腕がアリーの背中をグッと抱き締め、アリーは戸惑いながらもリヴァイの背中と頭を強く包み込んだ。
そして、ゆっくりとリヴァイの頭を撫でていく。
「リヴァイ…泣きたい時は泣いていいのよ」
「・・・」
ギュッと締め付ける力が強まったのがわかった。
あなたは今、何を考えているの?
辛い?悲しい?痛い?苦しい?
どうしてあなたは泣かないの?
しばらく2人、何も言わずにそうしていた。
小刻みな震えが少しずつ止まり、アリーは逆に自分が震えているのではないかと思えてきてしまい、耳元で囁いた。
「…リヴァイ?」
「すまん…」
気がついたようにリヴァイは体を離した。
「少しは…落ち着いたかしら?」
「…あぁ」
なんとなく気まずい空気が流れ、アリーが助けを求めるようにリンクの方を見ると、その微かな雰囲気を察知したのか、声を上げた。
「リヴァイ兄〜!!ウルフに水を飲ませてもいい〜?!」
遠くから聞こえるその声で、リヴァイはハッとしたように顔を上げて立ち上がりリンクの方へと歩みを進めた。