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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第45章 月の女神と太陽神



「ねぇ、リヴァイ…」

氷のような冷気を纏って遠くを見つめているその表情が、あまりにも苦しそうで、アリーは優しく声をかけた。
ゆっくりとこちらを向く藍鼠色の瞳は切なげに揺れている。


「そんなに辛いなら…またあの頃みたいに…」

私を、抱く?


その言葉は、やはりリヴァイによって制された。


「お前の冗談は笑えねぇと言ったろ。冗談を言うセンスだけはないようだな」

鋭いつららのような三白眼に刺される。

「ふ…そうみたいだわ…」

そしてまた2人同時にリンクの方を見つめた。


じゃあどうすればあなたを少しでも笑わせることができるのよ…
それだけは私にもわからなかったのよ、あの頃から…

でも…これだけは言っておくわね。
冗談として受け取っても構わないから…


「愛にハッピーエンドはありえないのよ。」


リヴァイが驚いた様にこちらに視線を移したのがわかったが、アリーは前を見たまま続けた。


「なぜなら、真の愛に終わりはないからよ。」


リヴァイがこれを聞いてなにを感じたのかは分からない。
けれど、拳を握ったことはわかった。
薬指のその硬い感触に、何を思っているのだろうか。


アリーは視線を落とし、リヴァイのその拳の上に手を置いた。

随分と久しぶりに触れるその温もり。
筋肉質で骨ばっていて、どこか冷たくて…あの頃のままだ。

あのころと違うことといえば、薬指に指輪が嵌めてあること。
そして、震えているということ。


リヴァイがアリーの手をそっと握り返した。

怖いのね。
あなたはいつだって、私の前では素直だった。
そしていつだって何かに恐怖しているのを私は見抜いていた。


「…震えが止まるまで、手を握っていてあげるわ。」

そう言って強く握り返す。
リヴァイは何も言わない。
その代わり、うつむいたままもう片方の手を額に置いた。

アリーは顔を覗き込むようなことはしなかった。

この行動の意味は分かっているから。


きっと、


そう、


今あなたは…




泣きたいんでしょう?
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