Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第45章 月の女神と太陽神
「恋に落ちているときほど、苦しみに対して無防備であるときはないわ。」
大恋愛も、耐え忍ぶことが大切なのよ…
そうアリーは付け加えた。
「あなたはルーナさんを愛している。彼女もあなたの事を愛している。そんなの私じゃなくても誰でもわかることだわ」
「…俺にはいつもわからない。愛するとはどういうことなんだ。愛ってなんだ…明確な定義がないから、いつまでもこうして悩んでいる…」
人を疑うことと、恨むことしかして来なかった。
生まれた時からそうだった。
愛された記憶も愛した記憶もない。
だから…
初めて芽生えたこの感情が、愛なのか何なのかがいつも分からない。
「彼女に、愛していると…口で伝えたことはあるでしょう?」
「あぁ。」
それはもちろん数え切れないほどある。
しかし愛してると囁いたところで、その言葉が正しいのかは分からなかった。
ただのエゴや執着や、独占欲を誤魔化しているだけだと…
そう何度も思ってきた。今も…
「臆病な人は、愛を表明することができないわ。愛を表明するのは勇敢さの表れでもあるのよ…」
愛なんて…ひとつの言葉じゃ纏めきれないわよ…
愛は支配しないこと、愛は育てるもの、愛は…
「破滅よりも変化を恐れる。それが愛よ。」
「破滅…」
リヴァイが小さく呟いた。
ルーナが自分の元からふわりとどこかへ消えていってしまうなら、いっそこの手で握り潰してしまいたいと思ってきた。
それが破滅だとするならば、確かに自分は、彼女の変化の方を恐れている。
愛が変化する前に、自分の手によって破滅させたいとさえ思っているからだ。