Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第8章 帰還■
ルーナは1度部屋に戻ると、ポケットからイザベルとファーランの髪を取りだしそれぞれ糸で結び、透明の小瓶に入れた。
死体があまりにも無惨だと、持ち帰らない方が良いという判断になり、実際に行方不明などで処理されることも多かった。
ふとサイラムの顔が浮かんだ。
彼は跡形もなく全て巨人の胃袋の中に消えて行ってしまったため何も残っていない。
あのとき私を庇って...
ごめんなさい...
あの時あなたが私を押し飛ばしてくれなかったら今頃私はここにはいなかっただろう...
ありがとうサイラム...
あなたに生かされたこの命、決して無駄にはしないから...
またいつか会おうね...
そう心の中で彼に伝え、目を閉じた。
あぁ、こんな時にも涙が流れないなんて...
苦しい...辛い...
ふとイザベルの机に目を向ける。
同室だった彼女の笑顔も寝顔ももう見ることはできない。
元気な声も、姉ちゃんと呼ぶ声も聞くことはできない。
イザベルの荷物をまとめ、そっと部屋を後にした。