Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第44章 悪魔の誘い
確かに地下はシンプルな世界だとは思う。
力が全て金が全て。
生と死の狭間で、より鮮明に命の尊さが分かる。
ふいに、以前エルヴィンとした会話が降ってきた。
エルヴィンたち調査兵団と、地下のゴロツキだった自分が同じだと言われた時…
"あぁ?全くわからねぇな。どこがだ"
"お前も俺たちも、常に死と隣り合わせにあったからだ。
いいか、リヴァイ。死と常に隣り合わせにいた人間とそうでない人間との"生"に対する執着は天地ほどの差がある。
そしてその執着こそが、時に多くの命を救う力になる。"
それなら・・・
「確かにな。その通りだ。上は確かにやべえ世界だ。だがお前らがいるここも同じくらいにやべえ世界だろ。違うか?」
「・・・」
認めざるを得ないような、複雑な顔をする3人を真っ直ぐ見据えて言った。
「いずれにせよやべえ世界しかねぇんなら、いっそもっとやべえ世界を見てみたいとは思わねぇか?」
3人の表情が瞬時に変わった。
そして1人が言った。
「やっぱり…上にも下にも神様はいないのかな…」
神、だと…?
何を言い出しやがる…こいつは。
俺はそんなものを信じたことは1度たりともない。
「そんな偶像はいねぇ。いるのは…悪魔だけだ。」
その言葉に、3人の目が奇妙な輝きを帯びた。