Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第44章 悪魔の誘い
「ま、まってくれよ…」
制止の声も聞かずにリヴァイはしばらく行った所で立体機動に移りものすごいスピードで飛んでいってしまった。
まるで風のような、嵐のような、一瞬で見えなくなっていったその方向をディーターは目を丸くして暫く見つめた後、額に手を当てて深いため息を漏らした。
なぜだ、ルーナ…
"リヴァイとの子供ならいつか欲しい"
ルーナの笑顔と共にその言葉が脳裏に降ってくる。
"産んだとしても兵士には戻る"
そう言っていたのに…
やはり子供を産むまでの期間さえも兵士であり続けたかったということか?
もしくは他に何か考えていることがあるのか?
分からない
お前の行動もなにもかもが…
どうしていつもこうなんだ。
知りたいと思って知っていけばいくほど
知らないことが増えていき
知らないことばかりに気付かされ
本当は何も知らないんじゃないかとさえ…
お前は一体何を考えてるんだ…
俺が悪いのは分かってる…
でも、
教えてくれよ…
「うわぁぁあ〜!!すっげえぇ〜!!」
子供の声が下から聞こえてきた気がした。
飛びながらふと視線を下へおろすと、目を輝かせてこちらを見上げている3人の姿があった。
子供…?
なぜ子供がこんなところに…?
リヴァイの目が見開かれ、それと同時に地に降り立つ。
すっかり忘れていた。
"地下にまだいるんです…子供たちが…"
死に際に最期、メリッサが言っていた。
"その子たちからいつもそういう薬を…だからっ…"
"わかったもういい心配するな、俺が保護しに行くから"
"とても可哀想なんです、私なんかより皆価値がある…"
あの時にしたメリッサとの約束。
とんでもなく慌ただしい日々に、それはいつの間にか頭の隅に追いやられていた。
いや、そんなことを言い訳にはしたくない。
俺は約束を守る男なんじゃないのか…