Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第44章 悪魔の誘い
そう言ってダミアンが持ってきたそれは、今リヴァイの懐に入っているものと同じだったので、もうその客がルーナだったのだと確信する。
「それで?その薬はどういったものだ?」
「効き目のある精神安定剤さ。まぁただちょっと依存性はあるみたいで、これ買ってった客はだいたいすぐにまたこれを求めに来る。だんだん来るペースが早くなって…で、ついには来なくなる。」
そこまで言ってダミアンがニヤリと口角を上げた。
リヴァイの眉間にますます皺が寄り始める。
「…てめぇそりゃあ…使ったら最後、死しかねぇってことじゃねぇか」
「そうは言ってないだろ。その子は今した説明をちゃんと聞いてから購入してってくれたよ。安くしておいたし。」
「ゲス野郎が…」
リヴァイはルーナからこれを取り上げておいて正解だったと内心胸を撫で下ろしていた。
「それで…そいつが本当に求めていたもんはなんだ」
「あぁ、それはねぇ、俺が得意先の娼館へ卸しちゃってたからここにはなくって」
「だからそれはどんなものだ」
ダミアンがフッと笑って言ったその後の言葉でリヴァイの血流が一気に早くなり、そして息が止まったかのように胸が苦しくなった。
「なん…だと…」
「だから中絶薬だよ。それも時期とか関係なしにうんと強力なレベルのやつ。つまり100%にー」
ガタタッ!
「てめぇそのあとあいつはどこへ」
「ま、待て待て苦し…」
気が付くとリヴァイは血相を変えて椅子から立ち上がりダミアンの胸倉を締め上げていた。
パッと手を離すとダミアンは床に尻もちをつきながら苦しそうに息をしている。
「悪ぃ…」
「…く…全くだよ、もう…なんなんだよ…」