Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第44章 悪魔の誘い
目をパチパチと瞬かせているダミアンを鋭く睨む。
「相変わらず人の話を聞かねぇゲス野郎だなてめぇは…」
「えー何怒ってんの。あ、お目当てのものなかった感じ?」
リヴァイは胸糞悪い気分を懸命に押し殺しながら近くに置いてある椅子に腰掛けた。
そしてテーブルを挟んで向かい側の椅子を指さす。
「まぁ座れ」
「っ…座れって…俺の店なんだけど…」
ダミアンはしぶしぶカウンターから出てそこへ腰掛けた。
向かいのリヴァイがテーブルに肘をつき口元で手を組んだ。
その手指に光る指輪に目を見開いたが、リヴァイがあまりに鋭く真剣な目で見つめてくるのでさすがのダミアンにも緊張感が走る。
「な…なにさ…」
「昨日ここへ女が1人来ただろう?」
その言葉に一瞬沈黙したあと上に視線を走らせて思考をめぐらせながらダミアンが答えた。
「あぁー…まぁ何人か1人で来た女はいたね…」
「チッ、何人もいやがんのか」
「そりゃそうだ当たり前だろ?」
相変わらずゲスい商売をしている目の前の男に心底うんざりしたようにリヴァイが言った。
「昨夜だ。遅くに来た奴だ。おそらくこのくらいの時間か、これよりもっと遅い時間か…」
そこまで聞くと、ダミアンはまた上を向きながらテーブルに肩肘を付き頬杖をした。
「うーん…あー…あれかな、なんか…さっきのリヴァイみたいに、あれも違うこれも違うみたいな感じのー…」
リヴァイの目の色が変わった。
「で、その子がどうかしたの?」
「そいつは何を買っていった?」
ダミアンは頬杖を解くとリヴァイに向き直って苦笑いをした。
「ちょちょっとお客さん。ははは、個人情報はさすがに言えませんよ〜」
「ふざけたことを抜かすな。言え。」
凄みを効かせた低い声と、細められた鋭い目にダミアンは口を噤んでから諦めたようにため息を吐いた。
「もう…しょーがないな…というか、結局その子のお目当てのものはここにはなかったんだよ。だからうちでは精神安定剤を買っていったよ、ちょっと待ってて…えーと…」
精神安定剤…だと?
やっぱりルーナは嘘をついていた?
睡眠薬なんかじゃねぇじゃねぇか…