Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第44章 悪魔の誘い
「正直言って、詳しいことは俺も知らない。でも昨夜俺は確かにあの子に付きっきりになってやってたさ。いくら強くてもここらを女1人でうろつくなんて危なっかしくてしょうがないからな…」
ディーターはルーナの護衛をしてくれていた…
そう認識したリヴァイは肩の力を抜いた。
「…そうか。世話をかけたな」
今までの迫力とは打って変わって柔らかく静かにそう言われ、ディーターはますますルーナに雰囲気が似ていると思って目を丸くしてしまった。
しかし、真剣な表情に戻すと、リヴァイを真っ直ぐ見つめて強く言った。
「1つ、約束してくれ。俺は昨夜と同じようにあんたにも道案内はする。だが、あんたが知りたいことが全て知れても、彼女を責めることだけはやめてくれ。」
リヴァイはディーターのあまりの気迫に目を見張った。
どういうつもりでそれを言っているのかは分からないが、リヴァイは頷いた。
「…わかった。約束する。」
そうして歩き出したディーターの後ろをついて行く。
リヴァイは思った。
自分らがここにいた頃よりかはほんの少しマシになっている気がする、と。
孤児院のおかげか、飢え死んでいるガキは転がっていないし、自分たちがゴロツキとして騒ぎ立てていたときのような、ああいったガキもいない。
しかし相変わらずちらほらと不気味な視線はそこかしこに感じる。
やはりまだまだ力と金がものを言う世界なのだろうと。
そしてあの頃あった店や建物はなくなっていたり、違うものになっていたりもして、ディーターが案内してくれるのは助かると思った。
しかもルーナとも関わっていたとなればこれは幸運だとも。
いや…もしかしたら不運かもしれない…
歩く度ガチャガチャと音が鳴る立体機動にふと視線を落とす。
これで飛び回ろうと思っていたが、こいつがいれば出番はねぇか。