Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第44章 悪魔の誘い
「おい、返事をしろよ。失礼な奴だな…」
「…お前こそ失礼な奴だな。質問を最初にしたのは俺だぞ。…それに、お前みてぇに顔すら見せない輩に個人的な話なんかするかよ」
ディーターはあえて苛立ったように言い放った。
すると男は、暫し沈黙してから低い声でボソリと先程の質問に答えた。
「あぁ。どうやら流行ってるらしい。」
「…へぇ。そうなんだ。地上では地下の見学が流行ってるんだ。へぇ〜」
ディーターはさぞ面白そうに笑いながらも、ルーナに関しての思惑があり尚も聞いた。
「それで?あんたはここへ何しに来たの?立体機動だっけそれ?なんか懐かしいなぁ〜」
男が身に付けている装備を見ながら薄ら笑う。
「…昨夜、地上からここへ来た女を知ってるか?そいつが何をしていったのかを探りに来た。」
「…っ…」
ディーターはやはり…と言った顔をなるべく出さないよう息を飲んだ。
「…さぁな、俺は知ら」
ガガンッ!!
突然男に壁に押しやられ手首を後ろ手に捻られた。
まるで昨夜のルーナとそっくりだと思ってしまった。
「まっ…待て待てお前までなんなんだよ」
「俺は嘘つきは嫌いだ。正直に吐け。なにしろこっちは急いでいる。それと、俺は今日機嫌が悪いんだ。」
氷のように冷たい口調だ。
ディーターは舌打ちをしてから首を捻りつつ言った。
「あんたは昨夜の女に似てるな。雰囲気も…やることも…」
「…あ?」
男は、またグッと力を入れた。
「痛い痛い痛い!お前!暴力はやめろよ」
「知ってることを全部吐け」
また冷淡な声が降ってきた。
ディーターはそれでもルーナのことは喋れないと思った。
たった数時間しか一緒にいなかったが、少しでも彼女の不利になるようなことは喋りたくない。