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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第44章 悪魔の誘い


「こんな所で調査兵が何してんだー?」

ディーターは、マントの自由の翼の紋章を眺めながら懐かしさに目を細めた。

しかし背丈的に女か男かも分からない小柄なその兵士は、ディーターの言葉を無視して進んでいってしまった。

ディーターは舌打ちをしながら周りを見回す。
そして、どうやらこいつは1人なのだろうと言うことを確信し、ニヤリと口角を上げた。

「なぁなぁ兵士さんよ、俺は無視されるのが1番嫌いなんだよ。」

兵士の隣に行き、斜め後ろから声をかけるが歩みは止まらない。
顔を覗き込もうとするが、深くフードを被っているせいでそれも叶わない。

「おいちょっとは人の話聞けよ。あんた兵士なら金あんだろ?地上で税金たっぷり毟りとってんだからよ、少しは置いてい」

「触るな」

肩に手をかけた瞬間、奥から絞り出したような低い声色で手を振り払われ、ビクッと動きを止めた。


「…なんだ、あんた男だったのか…
この時間にここで何してんの?てか、最近夜中にここらを観光するのが地上で流行ってんのか?」

その言葉にマントの男が振り返る。
フードを被っているにも関わらず異様なオーラを放っているその男に、ディーターはピクリと眉が上がる。

「…なんだよ。金置いてってくれんのか?兵士さんよ…」

「お前…昨夜ここで地上の奴を見かけたのか?」

突然の発言に、ディーターは押し黙った。
まさかルーナがここで違法な薬を買い漁ったりしていたことが地上でバレて、取り締まりにきたのか…という思惑になる。
実際、憲兵よりも調査兵の方が地下での取り締まりには長けていることを知っている。
数年前の…あの時だって…
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