Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第43章 神と善悪
「ねぇ、バリスはなぜ、そんなにリヴァイのことを知っているの?私よりもきっと知ってる…」
「いえそういうわけではないですよ。第三者にしか見えないものってあるじゃないですか。僕しか知らないリヴァイ兵長もいるし、ルーナさんしか知らないリヴァイ兵長もいる。これはごく普通のことですよ」
にこやかにバリスが言うのでルーナは釣られて笑顔になる。
「じゃあどうしてそんなにリヴァイを尊敬しているの?」
これはずっと思ってきたことだった。
バリスは昔からとてもリヴァイに忠誠を誓っているように見えるし実際そうなのだろうと思う。
そしてリヴァイもバリスのことを右腕みたいにいつも傍らに置き、心底信頼しているようだ。
そうじゃないと、あの日兵舎に自分たち2人きりだけ残して行かないし、そもそも今もこうして自分の部屋でバリスと2人きりになどしないだろう。
「んー…その理由はいろいろあるんですが…とにかく僕は兵長の全てを尊敬しています。強さももちろん、強靭な精神力やとても優しいところなど…」
ルーナは嬉しかった。
ちゃんとリヴァイの中身を分かってくれているということが。
「でもきっかけがあって…」
「え?!なになに?」
聞きたくてつい大きな声を出してしまった。
バリスはどこか照れたように笑ったあと、真剣に話し出した。
「昔、目の前で仲の良かった仲間が巨人に食い殺されて…残ったのは胴体だけだったんですよ…」
残酷な話の内容にルーナの顔が曇り出す。
「それでもう僕はその光景にその場で吐き続けてしまって…巨人が迫っていることにも気が付かなかった。そしたらいつのまにかリヴァイ兵長に救われていて…立体機動でリヴァイ兵長に抱えられている間も僕は散々吐き散らしてしまったのに、兵長はご自分の服のことよりも僕のことを心配してくださったんです」