Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第43章 神と善悪
内心驚きながらも、当然これは喜ばしいことなのでバリスはルーナの口元を拭いながら言う。
「あのよかったら、おかわりをお持ちしましょうか?」
「えっいいの?ありがとう!」
ぱあっと明るい表情で元気よく言われ、バリスは微笑みながら食器を持って部屋を出て行く。
食堂へ足を運び、パンやスープを盛っていると、後ろからリヴァイに呼び止められ身体をビクンと震わせる。
本当にリヴァイ兵長って、全く気配なく背後に近付けるんだなぁと思いながら苦笑いする。
「あいつはどうだ」
「実は食事を全て平らげてしまわれたんですよ!それでおかわりが欲しいとのことなので今それをお運びするところです。」
その言葉にリヴァイの目が見開かれる。
そして安堵とはまた違うような表情になった。
「俺があれだけ言っても食わなかったのに、お前の前だとおかわりまですんのか」
「えっ…あー…」
戸惑うバリスにフッと笑ってリヴァイは言った。
「ありがとうな」
「いっいえ、自分はとくになにも…」
リヴァイから礼を言われるたびにバリスは顔を赤らめドギマギしてしまう。
内心そんな自分が気持ち悪いと思いつつも嬉しさは隠しきれない。
「ついでにあいつと話でもしてやってくれ」
リヴァイはそう言い残して自分の食事を持って部屋へ向かってしまった。
バリスはルーナに再度食事を補助しながら優しく言ってみた。
「あの、ルーナさん、僕でよければ聞かせていただけませんか。今、あなたが何を考えているのか…」
ルーナはパンをゴクリと飲み込んでから笑顔を向けてきた。
「何も考えてないよ?」
「っ…」
そんな表情でそんなことを言われ、一瞬言葉に詰まってしまったが、気を取り直してもう一度声を出した。
「ルーナさん、責めるつもりはないんですが、僕は以前言いましたよね。人は何をしているときでも、必ず何かを考えていて思考は動いているのだと。」