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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第43章 神と善悪


「はー…朝になっちゃったね、リル…」

ルーナはラベンダー畑に寝そべりながら呟いた。
上から顔を覗いているリルの頬を撫で、目を細める。

心地の良いラベンダーの香りが
ルーナの心をほんの少しだけ落ち着かせる。


そして紙袋から1粒の錠剤を取り出した。

小指の先端ほどの大きさのそれは、陽の光に照らすと眩しいくらいに白く輝いた。



"君の子供と無邪気に遊んでみたい。どうだ、なかなかいい夢だろう?"


ふいに頭の中にエルヴィンの声が降ってきた気がした。


そんなあなたはもういない。

私は何もできなかった。


あなたに全てを背負わせたまま、
部下や仲間を見捨てたまま…
私はなにも…



私は兵士として生きて
兵士として死ぬ

悪魔として生きて
悪魔として死ぬ


それでまた地獄であなたに会う




いつかこの島を救ってくれる子たちを信じて…






"大事なものを捨てることができなかったからだ"

そう、その通りだよ。



何も捨てることができない者は何も得ることができない。





今ならまだ間に合う…
今なら…



お腹の中にいるのが誰の子だったとしても…

いや…きっとリヴァイの子であることは
もう確信してるけど…


きっとまたいつか会える…



だから寂しくはない



情を捨て、エゴを捨てる。


今までの自分とは決別して、
生まれ変わる。


今までの、弱くて役立たずで
周りに甘ったれてばかりの自分とはもうお別れ



さようなら…






ルーナは錠剤を口へ入れた。




そして、ゆっくりと飲み干した。


唾液とともに喉を通過し、胃に落ちたのがリアルなほど分かる。




お腹に手を置く。




ごめんなさい…





またいつか…

こんな私を選んでくれるなら…


今度こそ私はあなたに心臓を捧げるから…
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