Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第42章 深淵■
お得意さんの店は、どうやら娼館らしかった。
礼を言いつつ、ルーナは思い出したように懐から小瓶を取り出した。
リヴァイの引き出しの中に転がっていたものだ。
「これをご存知?」
男は目を丸くした。
「えーっこれあれじゃん。あのガキらが売ってるやつ。ここにはないよ」
「どこかの子供が売ってるの?でも地下の身寄りのない子供たちって女王の孤児院に引き取られたはずだけど…」
「けっこーやべぇ奴らは残ってんだよ。まぁ地下の方が生きやすいんじゃない?なにしろ地下は、ある意味どこよりも単純でシンプルかつ美しい世界だ。」
ルーナの目が見開かれると、男はフッと笑った。
「力が全て。金が全て。強い奴は生き、弱い奴は死ぬ。めんどくさい駆け引きは一切無し。なんとも生き物らしい世界。きちんと生を実感できる美しい世界だろ?」
ルーナは頷いた。
確かにそうだと思った。
地上とは大違いだ、なにもかも。
この世界に、リヴァイは生まれた時から身を置いていたんだ。
めんどくさいことを考えずに、煩わしいことも無く
ただ生きるためだけに生きる世界。
それももしかしたら、美しい世界と言えるかもしれないとルーナは思った。
リヴァイはどう思っていただろう?
ファーランは?イザベルは?