Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第42章 深淵■
「そのお得意さんってどこにあるの?そこへ行って、1つ譲ってもらえないか掛け合ってみる。」
すると男は突然人が違ったように不機嫌そうな表情をした。
そこでルーナは先程ディーターが言っていた言葉を思い出して急いで声を出した。
「何か買うから。だから教えて。」
男はフーっと息を吐いたかと思えばまた営業スマイルを見せた。
「じゃあこれとか?あ、でもこれもオススメなんだよね最近入ったやつで」
「ねぇ、あの…ここには妙薬みたいな類のものしかないの?」
遮ってポツリと言ったルーナの言葉に男は目を瞬かせた。
「え、だって若い女が興味持つもんなんてこれだろ?」
「私そこまでこういうのには興味が無い」
「マジ?じゃあ何に興味あんのさ?」
ルーナはしばし沈黙してから神妙な面持ちでゆっくりと口を開いた。
「例えば…乱れた心が落ち着くような…精神安定剤みたいなもの…かな…」
「…えー……」
男から素っ頓狂な声がため息混じりに聞こえた。
「それも強力なやつ。地上にはものすごく軽い効力のものしかないの。だからー」
「え!!君地上から来たの?!」
ハッとルーナは口に手を当てた。
余計なことを喋ってしまったかもしれない…
しかし男は笑みを浮かべて目の前に1つの箱を置いた。
「10錠入ってる。けど、これ飲むのはホントに辛い時にしなよ。けっこー依存性高いんだよ。まぁまた買いに来てくれるからいいんだけど、しばらくするとそいつはピタリと来なくなるんだよ。なんでか分かるかい?」
ルーナは息を飲んだ。
冷や汗が流れるのが分かる。
「…死ん」
「まぁまぁじゃあこれをお買い上げってことで!まいどっ!」
ルーナの言葉を遮って声高々にそう言うと、思っていたよりも安値でそれを買い取らせてくれた。
恐らく必ずまた買いに来るだろうと踏んでのことだろう。