Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第42章 深淵■
目の前まで歩いていき、カウンターに置かれているそれらをジッと見つめるルーナに、男はポカンとした表情になってからまたゴソゴソと奥から何かを取り出しまた並べ始めた。
「あれ、違ったかな?…これ?それともこれ?」
「ごめんなさい。私あまりこういうものに詳しくないの。説明してもらえない?」
「あっそう。まぁ確かに見ない顔だしね!」
明るくそう言って男は一つ一つ丁寧に薬の説明をしていった。
その内容は目を見張るようなものだった。
短時間で何度も絶頂を感じられるが依存性の強いもの、
一度の絶頂が凄まじいのですぐに気絶してしまう単発性のもの、
とにかく持続性があり緩やかに快感が上っていくもの、
四肢が動かなくなるくらいどこもかしこも快感のツボになるもの、
逆に全く何も感じず不感症になれるもの、
不感症のまま意識を飛ばせて痛みすら感じぬまま情事を終われるもの、
他にもあるのか、楽しげにまた何かを出そうとしてきた男をルーナは急いで制止した。
「あの、私、こういうのを買いに来たんじゃないの」
「え、じゃあなに?!」
驚いたように目を丸くする男をまっすぐ見つめながら強めに言った。
「中絶薬がほしいの。一番強力で確実なやつ」
男はしばしそのままの顔で黙っていたが、考え込むように頭をかいた。
「んー…実は…一番上のランクのものはお得意さんに昨日全部買われちゃったんだよ。個人的にそれを調達しようとしてここへ来る君みたいな子は滅多にいないからね。俺も全部売っちゃった!」
はははっと苦笑いしてから男はまた目の前に薬を置き始めた。
「だからこれとかどう?これも結構効き目あるよ!あぁそれからこれもあるなぁ…これは」
ずいぶんとお喋りな男の弁舌は止まらない。
どうしても何かを買わせたいのだろう。
しかしルーナはどうしても一番効力のあるランクのものが欲しかった。