Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第7章 第32回壁外調査
「私の部下を、お前の仲間を、殺したのは誰だ?私か?ルーナか?お前か?」
刃を握ったままのエルヴィンの手から血がポタポタと垂れる。
「共に私を襲いに来ていれば2人は死なずに済んだと思うか?」
「・・・そうだ。俺のおごりが...俺のクソみてぇなプライドが...」
「違う!!巨人だ!!!」
エルヴィンは強く刃を握ったまま怒鳴った。
「巨人はどこから来た?何のために存在している?なぜ人間を食う?分からない。我々は無知だ。無知でいる限り巨人に食われる。壁の中にいるだけではこの劣勢は覆せない!」
リヴァイはブレードを離すとエルヴィンもそのまま刃を離し、血の着いたそれが地面にカツンと落ちる音がした。
エルヴィンは指を指して言った。
「周りを見ろ!どこまで走っても壁のないこの広大な空間に我々の絶望を照らす何かがあるかもしれない。だが壁を越えるのを阻む人間がいる!奴らは危険の及ばない場所で自分の損得を考えるのに血眼になっている!」
エルヴィンが指さす向こうには、小雨はもう止み輝かしい太陽が自分たちを照らしていた。
「100年もの間壁に阻まれ曇ってしまった人間の眼には向こう側の景色が見えていないのだ。お前はどうだリヴァイ。お前の眼は曇ったままか?」
エルヴィンがリヴァイに歩を進め顔を近づける。
「私を殺して暗い地下に逆戻りか?!」