Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第7章 第32回壁外調査
リヴァイはその場に崩れ落ちた。
茫然と目を開きながらエルヴィンの血がついた刃を眺める。
ふいにファーランとイザベルが笑顔で自分を呼ぶ笑顔が頭に浮かんだ。
兄貴ー!
リヴァイ!
「...くっ...そ...」
「よせ… 後悔はするな。後悔の記憶は次の決断を鈍らせる。
そして決断を他人に委ねようとするだろう。そうなれば後は死ぬだけだ。
結果など誰にも分からないんだ。1つの決断は次の決断のための材料にして初めて意味を持つ。」
歯を食いしばり拳を握りしめているリヴァイを見下ろしながらエルヴィンは静かに言った。
そして、すでに止血を終えたルーナを見てコクリと頷いた。
ルーナも真剣な眼差しでコクリと頷く。
「調査兵団で戦えリヴァイ。お前の能力は人類にとって必要だ。」
そう強く言い残し、帰還準備を進める隊の方へミケと共に去っていった。
ルーナは持っていた医療用の小さなハサミでイザベルの髪とファーランの髪を、ひと房ずつ切り取った。
「...行こう、リヴァイ」
ルーナが静かに声をかけるとリヴァイはよろりと立ち上がりルーナの横で歩みを進めた。
俯いたままのリヴァイの表情はわからない。
空を見上げると、先程の小雨のせいか、うっすらと虹が浮かんでいた。