Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第7章 第32回壁外調査
エルヴィンの言葉が続く。
「動けば必ず痕跡が残る。それを辿って証拠を手に入れるのに時間はかからなかった。あちら側が行動に出たことでこちらも尻尾を掴むことが出来た」
頭に血が上り始め、息すら苦しくなってくる。
俺たちは…利用されていた…
「...そこまで知っていて何故俺たちを兵団へ入れた!?」
「1つはお前達が優れた戦力だからだ。もう1つは取引相手のお前達を利用してロヴォフに揺さぶりをかけるため。
だがもう必要ない。本物の書類は今頃ザックレー総統の手元にある。ロヴォフは終わりだ。」
ポツポツとまた小雨が降り出した。
風に吹かれサァァーーと顔を叩きつけてくる。
リヴァイは怒りからか身体が震えている。
「命捨てるのに割に合わねぇ...くだらない駆け引きに巻き込まれたもんだ...てめぇもな!!!!」
そう言ってリヴァイがエルヴィンを刺したと思ったその刃は、ルーナに刺さっていた。
「ルーナ!!!!」
ミケの叫び声がする。
ルーナはエルヴィンの前に手を広げて立ちはだかっていた。
ルーナの肩からはみるみる血が滲み隊服に染みを作っていく。
後ろから見えるエルヴィンは顔色ひとつ変えずリヴァイを真っ直ぐ見ていた。
リヴァイは目を見開いてルーナの顔を見ると、彼女の顔もまた、痛みに顔を歪めることなく真っ直ぐにリヴァイの瞳を捉えていた。
彼女の瞳に映る自分の顔に、リヴァイは一瞬誰だ?と思った。
見たこともない形相をしていたからだ。
肩に刺さったままの刃をそのままに、リヴァイは震える声で呟く。
「お前も...全部知ってて...俺たちを...」
「そうよ。だからエルヴィンを刺すなら私ごと突き刺して。」
その言葉と真っ直ぐとこちらに向ける鋭いルーナの眼光に、
リヴァイが剣を抜くことも刺すこともできないでいると、エルヴィンがルーナの後ろから腕を伸ばし、その刃をガシッと素手で掴みながら彼女の肩から抜いた。