Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第42章 深淵■
「なぁ…ルーナよ…気持ちはわかるが、そのままだとホントに死ぬぞ。」
食事にほとんど手をつけないルーナに険しい視線を送る。
「…少し食べたじゃん…」
「ひと口は食べたに入らねぇだろ。死にてぇのか」
凄みを効かせて睨みつけると、
ルーナは黙ったままパンをとり、小さくちぎると口に入れ、そしてまたそれを置いた。
しっかり飲み込むまでリヴァイは目の前でジッと見つめている。
飲み込んだあとも手を動かさずうつむいたままのルーナにリヴァイはため息混じりに言った。
「いいか、ルーナ。これが確かに美味くはないのは分かるし、喉を通らん状況なのも分かる。だがな、お前がこんなところでくたばってちゃ、エルヴィンだって他の奴らだって報われねぇんだ。それくらい分かるだろ…」
「・・・」
分かっていないような顔でボーッとしているルーナにリヴァイは目を細める。
「このパン1切れの価値もお前には分からねぇだろうが、地下ではこれは、命よりも高価なものだった。これを求めて常に命の奪い合いだ。つまりそのパン1つで、地下にいる奴の命1つを1日伸ばすことができる」
「…わかったよ」
突然ルーナはパンを紙に包みだした。
「何をしてる」
「後で食べるから…」
そう言ってルーナはパンだけテーブルに置き直すと、リヴァイの食べ終わった食器に自分の食器を重ねだした。
片付けてくるといってそれらをまとめて持ち、部屋を出ていった。
リヴァイは深く息を吐くと、机に置いてある2枚のエルヴィンのマントを見つめた。
エルヴィン、俺はどうしたらいいんだよ…
どうしたらまたあいつの笑顔が見られるんだ?
時間が解決してくれんのか?
俺はやはりあの時、お前を救えばよかったのか?
俺の選択は間違っていたのか?