Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第42章 深淵■
ルーナとリヴァイはその日、団長室の片付けと掃除をしていた。
エルヴィン亡き後、改めてここを見てみると、本当に仕事熱心だったことが伺えるほどの書籍や荷物の多さだった。
たまに何かを手に取っては、ルーナは黙ってそれを数秒見つめていたり、また片付けや掃除に戻ったり、そんなことを繰り返している。
しかし2人の手にかかれば、そこはあっという間に綺麗になり、何事も無かったかのような空き部屋になった。
「リヴァイは何を貰ってく?」
ルーナはいくつかの本を持ったままリヴァイに問いかけた。
「…お前は?それだけでいいのか?」
リヴァイはルーナの持つ本に目をやりながら言うと、彼女は静かに頷いた。
リヴァイは畳んで箱に入れられているいくつかのマントを引っ張り出す。
モスグリーンのそれは自由の翼が背に書かれている、自分もいつも身につけてきたものだ。
同じもののはずなのに、なぜかそれはずっしりと重く感じた。
まるで彼が今まで背負ってきていたものが、あまりにも多く質量を増し続けていたかのように。
仏頂面でそれを眺めていると、ルーナはもう1枚のマントを手に取った。
「…これね。私も1枚貰ってく。」
そして2人はエルヴィンのマントを1着ずつ形見に貰うことにした。
彼の遺した意志を最期まで継いでいく覚悟を決めるように。