Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第42章 深淵■
しかし次の日からも、ルーナはほとんど食事を摂らなかった。
目は虚ろで少し痩せたように見えるが、正気は保てているようで受け答えは普通にする。
やはりエルヴィンが死んだことが相当ショックだったのだろうと誰もがそう思っていた。
それに、なにより慌ただしい日々で、たった1人のことに構っている時間がそうない。
だからルーナのことについては誰も何も触れないようにしていた。
今は勲章授与の式典と女王の準備を待っているところだ。
ルーナはその式を見届けたいとリヴァイたちについてきた。
駐屯兵団や憲兵団など、たくさんの人々が蠢く場で、ルーナは挨拶に回ったりしている。
遠くでにこやかに話しているルーナを、リヴァイは柱に寄りかかりながらボーッと見つめていた。
あれからルーナを1度も抱いていない。
それどころかキスすらしていない。
どうにも互いにそういう気分になれないからかもしれない。
けれど…触れたい…
その思いはいつどんな時もある。
求められれば壊れるほど抱きたい。
忙しいということもあって、一緒のベッドで眠れることもそんなに無かったが、一緒の時はただ抱き合って眠っていた。
「君がエルヴィン団長を生き返らせようと必死だったことは知ってる。」
「そうだ。お前じゃなく団長が相応しいと思った」
アルミンとフロックの声が聞こえてきて、リヴァイは耳だけをそちらに集中させた。
まだ言ってやがるのか…あいつは…
「でもそれは俺だけじゃない…みんなだ。報告書を読んだ誰もがそう思った。なんでエルヴィン団長じゃないんだって…」
「お前がアルミンの何を知ってるっていうんだ?言ってみろよ」
「知らないな。俺は幼なじみじゃないし仲良しでもないからな」
いつのまにかエレンたちと言い合いのようになっていた。
リヴァイは深く息を吐くと、柱の影からそちらへ視線を向けた。
するといつのまにか、ルーナがフロックたちの間に現れていて目を見開く。