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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第42章 深淵■


リヴァイはルーナの横に寝転ぶと、ギュッとその身を抱き包んだ。

「もう何も考えるな。目を閉じろ」

ルーナはリヴァイの胸に顔を埋めたまま目を閉じた。
しかし、しばらくたっても一向に寝息は聞こえてこない。


リヴァイは自分の閉じていた目を薄らと開けた。


真っ暗だ。

なんの音もしない。


次第に目が慣れてくる。


壁の向こうでは愚純な化け物が逍遥してるなんて信じられないくらいに
なんの音もしない。


自分がいることすら分からなくなるほどの
無音と闇



地下街にいたときも、
英雄呼ばわりされるようになってからも
それは変わらない



どこにいても同じだと思っていた。


薄汚い地下街にいても

奇怪な巨人の死骸の上にいても

部屋のベッドの上にいても




そうだったはずなのに…





いつしかルーナやエルヴィンがいることが当たり前になっていた。


いい加減見慣れた光景だったからか、

当たり前で、

当たり前な日常すぎて、



なんの根拠も無い永遠を期待していた。

期待をしなければ絶望を味わうこともないはずなのに。





こうして俺の手から
また次々と大切な命が零れていくのだろうか



今まで数え切れないほどの部下や仲間を失ってきた。

それは最初に親友2人を失ってから、
まるで歯止めが効かなくなったなにかのように下へ下へと転げ落ちていくように…



何故俺は強いんだ?
何故俺は生き残る?

いつまで闘い続けていればいい?




"巨人を滅ぼすことができるのは悪魔だ!"


フロックの言葉が脳裏で反芻された。



何が正しいかなんて俺には分からない。


何を信じていれば、
死んでいった同胞たちが報われるのかも。



獣の投石で散っていく同胞たちのあの地獄絵図が脳裏に焼き付いていて離れない。


くっそ…
なぜ俺は奴を逃がした…


エルヴィンの命令をしくじったことなんて今まで1度もなかったのに…




あの獣を殺すまでは、俺も…

悪魔であり続けなくてはならない。



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