Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第41章 光と闇
「ルーナさん、自分に嘘を吐いたとき、それが嘘だと見抜く方法を教えて差し上げましょうか?」
ルーナはハッとした顔になる。
そう、それがわからないから、気が付けないのだ。
「教えてほしい」
ルーナの真剣な表情に、バリスは優しい声色で答えた。
「嘘を吐くと、胸が苦しくなったり気が重くなったりするんですよ。…それは真理から逸れた証拠であり、愛に背いたということになります。」
愛とは神であり、神とは真理であるならば、
神は嘘を禁じたのだろうか?
だから嘘を吐くと、苦しくなるのかもしれない
とルーナは思った。
真理、愛、神、それから逸れれば逸れるほど、
ひたすら虚無へと近付いていくだけ…
そしたら…
「そしたらいずれ…その度に…だんだん何の感情も無くなっていくのかな…」
「…そうかもしれない…
感情がなくなったら、人間には一体何が残るんでしょうね」
他の種の生物と違うことなんて唯一感情の有無しかない。
その人間がそれを失った場合、何が残り、なにができるのか。
「なにも…できなくなるかも。全くの無価値になるかもしれない」
ルーナは力なくそう呟いた。
バリスは目を細めた。
そこにいるルーナは、月の光が当たり、まるでそこだけにスポットライトが当たっているように光っている。
真っ暗闇の中、弱々しく佇んでいるはずなのに、煌々と輝く月明かりによって全身から光を放っているかの如く。
それはいつかの神話で見た月の女神を想像させた。
「真っ暗なこの世界には、いろいろな光が差し込んできた」
「…え?」
バリスが突然言い出したことの意味がわからなくてルーナは首を傾げた。
バリスは月を見上げている。
その瞳は目いっぱいにその光を吸収するかのように見開かれている。