Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第41章 光と闇
「エルヴィン団長やリヴァイ兵長、ハンジさんやルーナさん、新兵たちや命を落とした兵士たちだって、皆、光です。我々調査兵団は…人類の光そのものです。」
突如冷たい風が吹き抜け、ルーナの長い髪をたなびかせた。
そういえば、リヴァイにショートヘアが見たいと言われたのにまだ切ってなかったな…とそんなことを考えてしまった。
「いくらこの世界が暗くても、数々のその光が絶えることなく差し込めば、きっと全てが変わり、たちまち辺り一面の光景が見えるくらいに明るくなるはずです。」
ルーナは潤んだ瞳を辺りへと走らせた。
真っ暗だ。
月明かりがなければ何も見えないほどに、ただ黒いだけの空間だ。
「不安や悲しみに自分が支配されている時、ルーナさんの心は何色に染まっていますか?」
「…黒…」
「そうなんです。人はその時、黒しか感じない。確かに黒はどんな色をも飲み込む魔性の色だ。」
今の自分はまさにそうだとルーナは思った。
不安や悲しみ、やるせなさや悔しさや、意味があるかも分からないとにかく複雑でマイナスな感情…
白では簡単に塗りつぶされ、他のどんな色を足してもちょっとやそっとでは全く意味を成さずにただ黒いままに飲み込まれていく。
それを感じてルーナは顔を歪めた。
しかし次の言葉でその表情は一変する。
「しかし、我々は光です。
光は…どんなに黒い闇をも凌駕する。」
紛れもない事実を一瞬で叩きつけられた気がした。
ルーナにとってそれは、一生忘れられないような甘美な響となって脳に木霊した。
光は闇をも凌駕する。
「だから、我々はただ信じて待ちましょう。」
もう一度吹いてきた冷たい風は、先程のものとは全く別のもののようにどこか暖かく頬を叩き付けたように感じた。
何かに気が付くと、目の前の何もかもが変わって見える。
見える光景や聞こえる音も感じるものも全てが変わる。
目に見えない大切な何かに気がついた時、こんなにも世界が違って見えるのなら、
自分たちは光を灯し続け、知ることを諦めてはならない。
立ち止まらずに、1歩ずつでも前へ進み続ければ、必ずまた何かに気づき、ゴールへとたどり着くことができる気がした。