Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第41章 光と闇
「ルーナさんは誰のために生まれたのだと思っていますか?」
その言葉にルーナの鼓動が波打つ。
頭に浮かぶのはもちろん一人しかいない。
バリスは見透かしたようにくくくと笑いながら言った。
「リヴァイ兵長は、ルーナさんだと答えました。あの人の頭の中にはいつだってルーナさんがいる。いつの間にかあの人は、僕には嘘をつけず誤魔化しも効かなくなっているようです。」
「そ…なんだ…」
ルーナは羞恥で目を逸らした。
きっと赤らんでいるであろう顔が暗闇で見えなくて本当に良かったと思った。
「一時期は、嘘ばかり吐いていたんですよ。ルーナさんのことを本当は愛していないかもだとか、大切にできていないかもだとか…そんなこと本心じゃ全く思っていないくせに……あなたの事を傷つけたくないからと、自分のことを騙そうとしていた。」
ルーナは一瞬目を見開いたかと思えば眉間に皺を寄せ顔を歪めた。
そんなことを…リヴァイは自分の知らないところで…
どれだけ悩ませてしまっていたのだろう。
悪いのは全て私なのに…
「人は嘘を吐くと、自分がどんなに重荷を背負ったのか気が付かないんですよ。1つの嘘を突き通すために、別の嘘を何個も考えなければならなくなる。だからそれがどんどんと弱音みたいになっていくんです。」
そうかもしれない…
私もリヴァイと全く同じように自分に嘘をついていた。
傷つけたくなくて、迷惑をかけたくなくて…
シンにも昔、言われたことがある。
自分自身を騙すのはやめ、正直に生きると約束してくれと。