Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第41章 光と闇
ルーナはハッとした表情で、今の言葉を反芻した。
喜びは…幸せになるために必要
怒りは…自分にとって大切なものを守るためにある
恐れは…自分の身を守るために必要
悲しみは…失ったものを乗り越えるために必要
「…じゃあ…なんのために神様は私たちを作ったの?」
こんなことをバリスに聞いても分かるはずもないのに…と思ったが、バリスは答えてくれた。
「それって、なぜ自分が存在するのかってことですよね?誰もが1度は考えることですよね、自分の存在意義を。きっとそれは一人一人違うと僕は思っているんですよ…」
なぜ自分がこの世に生まれ、なんのために生きているのか?
自分の価値や存在意義については誰もが1度くらいは考えたことがあるだろう。
しかし考えたところでその答えは出ない。
ルーナは息を飲んだ。
月の光に照らされ、星の瞬きを浴びているバリスはまるで、神々しく輝く神様みたいに見えた。
「それは…それぞれが誰かのために存在しているのだと。そう思っているんです。その誰かのために生まれ、誰かのために生きている…」
リヴァイがなぜバリスを一番信用している部下として傍に置いているのかが分かる気がした。
頭がいいとか仕事ができるとか、それだけではない何かを彼は持っている。
「でもこういう言葉があるんです。
"人間は神の失敗作に過ぎないのか、それとも神こそ人間の失敗作に過ぎないのか" 」
難しい話だとルーナは思った。
人間に感情を持たせたことによって、世界はなにもかもが残酷になっている。
もしくは神というものが存在しないのならば、それはただの酔狂じみた人間の心の拠り所であり、間違いだらけの思考の産物かもしれない。