Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第7章 第32回壁外調査
「リヴァイ、生存者はお前だけか」
「・・・」
ブレードを握り視線を地面に落としたまま微動だにしないリヴァイ。
周りにはたくさんの巨人の残骸と、兵士の肉片が散らばっていた。
晴れ渡った雨上がりの空の下、そこだけ巨人の残骸が放つ蒸気がたちこめ、ヒューーと気持ちの悪い生暖かい風が通り過ぎた。
「この巨人の死体は...お前一人で...」
エルヴィンが言い終わる前に目にも止まらぬ早さでリヴァイはエルヴィンの身体に飛びかかった。
っ!!!
ルーナと近くにいたミケが慌てて駆けつけようとすると、リヴァイはシャッと剣を振り、どす暗い声と恐ろしい表情で「来るな」と一言発した。
2人は黙って動きを止めた。
エルヴィンは顔を歪め胸もとを抑えながらよろよろと立ち上がると、リヴァイは刃を突きつけて睨んだ。
「てめぇを...殺す。そのためにここにいる」
エルヴィンはリヴァイの顔を真剣な眼差しで真っ直ぐ見つめ、胸元からある物を取り出しながら言った。
「ニコラス・ロヴォフに関する書類だ」
リヴァイの表情がガラッと変わる。
「てめぇ...知ってたのか...全部...」
バササッ
エルヴィンは地面に書類を投げ捨てた。
散らばった書類はまたたくまに泥が染み込み濡れていく。
「オイ、なんのつもりだ」
「ブラフだ」
「あ?」