Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第7章 第32回壁外調査
少しの間があったかと思えばルーナとリヴァイの斜め前方からドシドシと地響きが聞こえてきた。
霧の中から巨人が何体も迫ってきた。
ルーナは血の気が引き、わなわなと震える手を、先程落としたブレードに置こうとすると、リヴァイはそのブレードをサッと拾い上げ
「貸せ」
と短く言って巨人めがけて飛んで行った。
ルーナが口を開く間もなく、何体もいた巨人を一気に全て倒してしまった。
本当に一瞬だった。
ルーナの目の前にうつる光景が、現実ではないのではないかと錯覚してしまったほどだ。
気がつくと雨がやみ、霧が抜け、太陽が差し込めていた。
辺りが明るくなり視界が開け、ルーナは眩しさに目を細めた。
「ルーナ。無事か。」
後ろからエルヴィンに肩を叩かれ、一気に現実に引き戻された。
「エル...ヴィン...私...誰も守れなかった...」
振り返らずにただ膝をついて俯くルーナに、エルヴィンは一瞬眉をひそめたかと思えばすぐに吊り上げ鋭い眼光を向けルーナの腕を引き上げた。
「立つんだルーナ。私たちに悲しんでいる暇はない」
ルーナはその言葉に、ハッと顔を上げると、なぜか身体の震えは消え、何事も無かったかのような落ち着いた雰囲気を取り戻した。
エルヴィンはルーナを立ち上がらせてから彼女の腕を離し、目の前にいるリヴァイに顔を向けた。