Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第41章 光と闇
「…さぁ、なんだろうね。分からない…なんにも考えていないかもしれない。考えたくない時にここへ来るのかもしれない…」
星の瞬きのせいか?潤んでいるせいか?
ルーナの瞳は僅かに上を向いたまま揺らいでいる。
「…人って実は、何も考えないってできないものなんですよ。必ず脳は動いていて、ボーッとしている時でも思考が働いている。…それは生きるためです。」
「…生きる…ため…」
ルーナの視線が下がり、どこか遠くを見つめるような表情になる。
バリスは同じようにその方向に視線を移して静かに呟いた。
「何かを考えていても、明日が来て、明日が去り、また明日が来て、ときにはゆっくりとした調子で最期の日を誰もが迎えていく…
そして最期の瞬間にも誰もが何かを考えるんです。全ての昨日という日について…」
「・・・」
何も言わずにただ茫然と前を見据えているルーナの今考えていることは、きっと己の無力感だろうとバリスは思った。
「リヴァイ兵長やエルヴィン団長が明日を信じて明日を迎えられるのは、ルーナさん、あなたの存在があるからですよ。あなたがどれだけ兵団や彼らに尽くしてきたのか、皆知っています。」
「・・・私はただ…自分のためにやるべきことをやってきただけ…私がすることのなにもかもは、ただのエゴなの。」
今の状況を作ったのだって、結局は自分のエゴだ。
いつも周りを振り回して、いつのまにか自分は都合のいい立ち位置にいる気がする。
「リヴァイ兵長も、同じようなことよく仰ってましたね。自分は常にエゴで動いているだけだと。だからルーナさんのことを傷つけたりしてしまっているんじゃないかと。」
「え?」
その言葉にルーナの視線が訝しげにバリスに向く。