Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第41章 光と闇
リヴァイが注射薬の準備を整え、空打ちする。
ポタ、と1滴だけシーツに垂れた。
キラリと光る針の先端を見つめながら、ルーナは初めて注射が怖いなと思ってしまった。
僅かに顔を強ばらせている表情に気が付いたのか、リヴァイが柔らかい表情で頭を撫でてくれた。
「リヴァイ…必ずここへ戻ってきてね。約束して。」
「あぁ。約束する。」
「絶対だよ?」
「絶対だ。」
ルーナの震える手をリヴァイが力強く握った。
そしてそのままその手をベッドに貼り付け、ルーナの腕を真っ直ぐに伸ばす。
軽く腕を摩ってから、針の先端を近づける。
「ルーナ…力を抜け…危ねぇだろうが…」
「わ…わかってる…」
それでもフルフルと震えているルーナから一旦、針を離すと、ルーナの頬を優しく撫でた。
しばらくそうしていると、少しだけ落ち着いてきたようにルーナの表情が柔らかくなって行くのがわかる。
「…俺の夢を見るんだぞ…いいな?」
こくんと頷くルーナの唇に優しくキスを落とし、そして舌を割入れ口内を掻き回す。
奥から舌が絡み付いてきて、それを啜るようにして優しく絡めとると、ルーナの震えが止まり、体の力が抜けていくのがわかった。
その隙に唇を離して一気に注射薬を差し込む。
一瞬のことすぎてルーナは全く動かなかった。
たちまち瞳が虚ろになっていき、まつ毛が震え出したかと思えばそのまま目が閉じられる。
針を抜き取り、ルーナの唇に軽く口付けすると、布団に入りこみ、その小さな体を抱き包んだ。
柔らかくて暖かくて、眠気に誘われてしまいそうだ。
お前を置いて死ぬわけねぇだろ
絶対、何がなんでも生きて戻って、こうしてまたお前を抱くんだ。
お前を眠らせるのも起こすのも、いつも俺の役目だろ。
「ルーナ…おやすみ。いい夢見ろよ…」
愛してる…
ルーナの薬指の指輪にキスをしたままそっと目を閉じる。
窓からの月明かりが煌々と2人を照らしていた。