Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第41章 光と闇
「リヴァイたちがいつも私に使ってる注射薬あるでしょ…あれを今すぐ私に打って…」
リヴァイの目が見開かれ、表情が固まる。
そして先日エルヴィンが言っていた言葉を思い出す。
"ひょっとするとその日は…別の目的で注射薬を使うことになるかもしれんぞ。それはおいおい分かるだろう"
あいつは…こうなることを想定してあんなことを言ってやがったのか…
「リヴァイ…お願い…」
「…お前…本気か?」
あれは正気を失ったルーナを落ち着かせ、強制的に眠らせるものだ。
眠らせるというか、気を失わせると言った方が正しいかもしれない。
そういったものを違う目的でおいそれと使うのはあまりにも得策ではない気がしてならない。
眉をひそめて口を閉じたままのリヴァイに、ルーナは弱々しく声を漏らした。
「どうしても…辛いの…このままだと本当に寝ずにあなたにすがりついてしまう…あなたが出発するまでずっと。もう…恐怖しか感じてないの今…」
今にも泣き出しそうな顔で震えて懇願するルーナに、リヴァイはもう何も言えなくなった。
「だから…私があなたの夢を見ている間に、私が知らない間に…あなたに去っていってほしいの…お願いリヴァイ…」
リヴァイは自分の頬からルーナの震える手を引き剥がすと、ベッドから降りて注射薬を取り出した。
そして戻ってルーナの隣に腰掛ける。
「ルーナ…本当にいいんだな?」
「うん、我儘聞いてくれて…ありがとう…」
微笑むルーナに、リヴァイは眉をひそめて堪らずキスを落とした。
深くて濃厚な、なんとも言えない幸せなキスにルーナの顔が歪んでいく。
顔を離すと、あまりにも淫猥な表情のルーナが涙目でこちらを見上げていて、リヴァイの鼓動がドキリと波打つ。
「お前……そんな顔をするな。煽りやがって…
寝てる間に襲っちまうぞ…」
「ふふ…それでもいい…」
ルーナが寂しそうに笑い、リヴァイは顔を顰めた。
くっそ!
なんでこんなに可愛いんだよこいつは…
いつどんな時でもこいつは俺の心を鷲掴みにする…