Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第7章 第32回壁外調査
なんとか巨人の急所に刃を入れることに成功し、ファーランの方へ走るとそこには上半身しか残っていないファーランを呆然と見つめ立ち尽くすリヴァイの姿があった。
「リ...ヴァ...イ」
その声に、視線だけじろりとルーナに向いた。
その瞬間、ルーナは身体が硬直して動けなくなった。
今までに見たこともないほど冷酷で魂が宿っていないかのような恐ろしい眼だった。
何者も寄せ付けないような真っ黒いオーラが炎のように漂っている。
目の端に、コロリと何かが転がっているのが入り、ルーナは恐る恐る視線を向けた。
はっ...
それはイザベルの頭だった。
開いたままのイザベルの目がこちらを見ていた。
ルーナは全身の力が抜け、膝を地面に落とす。
身体の震えが大きくなっていき、持っていたブレードを落とした。
「ごめ...んな...さ...リ...ヴァイ...私は2人を...守れ...なかった...あなたの...大切な...2人を...」
わなわなと震える唇を抑え、なんとか声を振り絞る。
うつむいたリヴァイがこちらにゆっくり近づいてきて地面に両膝をついた。
前かがみになり両手をつきイザベルの目にそっと手を伸ばした。
閉じられたイザベルの目にポタポタと雨が弾けていく。