Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第40章 博打
「お前も俺たちも、常に死と隣り合わせにあったからだ。
いいか、リヴァイ。死と常に隣り合わせにいた人間とそうでない人間との"生"に対する執着は天地ほどの差がある。
そしてその執着こそが、時に多くの命を救う力になる。」
「・・・」
押し黙って考えるリヴァイを見やりながら、エルヴィンは表情を柔らかくして声色を落とした。
「…俺にもルーナにも、どうしても知りたいことがあった。
俺たちがやってきたことを…無駄でないと信じ、目に見えないものを肯定し、探し求めてきた。常に…」
「行き過ぎた興味は身を滅ぼすと聞くがな…」
お前にもルーナにも死んでほしくはない。
そう思って口を出る言葉は、リヴァイにはなぜかこんな感じになってしまう。
「ふっ…そうだな。だから滅びないように足掻いてきた。こうしてな…」
いつの間にか外は暗くなり、鳥の鳴き声が遠くから聞こえてきていた。
薄闇にいるような2人の表情は、互いに見えづらくなっている。
それでもなぜだか鮮明に見えるような気がするのは、目の前にいる人物の考えていることがはっきり分かるからだろう。
「てめぇには感謝してるぜエルヴィン…
お前らに地下から引きづり出されなけりゃ、俺は何も知らねぇままだった。」
「…そうか」
エルヴィンがランプに火を灯した。
一気に部屋が明るくなり、互いの表情が照らされる。
「あぁ。今までの自分に絶望し、自分の無力さを知り、大切な者を失い、
…今度はその逆を思い知らされた。
そして世界はどうやら広いらしいと知ったのは、お前とルーナに出会ってからだった。」