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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第40章 博打


「お前はなぜ…俺と闘う?なぜ俺についてきた?」

エルヴィンは真剣で強いその声とは似合わない寂しげな瞳を揺らして聞いてきた。
リヴァイは沈黙し、口を閉ざしてから、美味くも不味くもない紅茶を一口啜った。


「そうだな…まぁ結局俺もてめぇと同じように…博打みてぇなもんなんじゃねぇか?…多分…あの日から…」

静かに呟くようにそう言ってからカップを置いた。

あの日のことが頭の中で霧を纏って蘇る。
地下でこいつとルーナたちに捕らえられて…
目の前にいるこの男を殺す目的で兵団に入り、そして親友2人を失った。
自分の選択の過ち、過信した自分の力と、クソみてぇな自分のプライドのせいで…


「ろくでもねぇ博打に手出しちまったんだな…タチが悪くて、負けがこむほどやめられねぇ…これまでスった分をどうしても取り戻したかったのかもしれん…」

リヴァイはそう言いながら自嘲気味に笑みを浮かべ、自分の掌を見つめた。

「つまりな…エルヴィン。
馬鹿みてぇな酔狂に付き合えるのは、馬鹿だけだってことだ。」


「ではそのスった分を取り戻せなかったらどうするんだ?」

「…そりゃ最悪、"死"しかねぇだろ。」

そうだ、俺はいつの間にか…
この兵団に、お前に、命を賭けてたんだな…

あの時した選択が…
まさかこんな生き方にまでなるとは…
あの頃には微塵も想像つかなかったことだ。

リヴァイはこんな奇妙な状況の自分に自嘲気味に笑った。


「なぜ俺に賭けた?」

「はっ。質問の多い奴だな…」


そんなこと分からねぇよ…
ただあの時、お前とルーナの俺を見る目が…


「さぁな。勘、かもな。
前にも言ったろ、俺は…てめぇみてぇに博打の才能はねぇんだよ…」


エルヴィンはそれを聞くと、どこか嬉しそうに眉をひそめて笑みを零した。
そして視線を下げると、静かな口調で言った。

「今になって思うことがあるんだ…
俺がお前に命を懸けていたのはきっと…俺の中にある箱を壊してほしかったからかもしれない…と…」

リヴァイは目を見開いた。
ルーナと同じように、こいつの心の中にもパンパンに膨れ上がって今にも壊れそうなのに、自分では壊せずにただ重くなって行くだけのそれが…あったというのか…
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