Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第40章 博打
リヴァイの執務室へ入ると、案の定リヴァイは書類に忙しそうに手を動かしていた。
しかし、入ってきたルーナを見ると、たちまちその不機嫌な顔は一変し、顔を強ばらせる。
「ルーナ…どうした、大丈夫か?」
「…え?」
ルーナの涙の跡と充血した目が見て取れて駆け寄ると、頬に手を這わせて顔を覗き込む。
「あぁ…うん…ごめん、なんでもないの。」
「なんでもないわけねぇだろう」
リヴァイの表情が険しくなる。
そして複雑な心境にもなる。
エルヴィンがルーナに奪還作戦の日には残るよう話をするということはあの時に分かっていてハンジと共に部屋を出た。
そして戻ってきたルーナはこんなに泣き腫らしたような顔をしている。
まさか妙なやり方でルーナを説得したのだろうか?
「エルヴィンと…想い出話とかしてたらね、なんか…懐かしくなっちゃって…それで…」
ルーナは言いながら笑った。
リヴァイは少し安心したように肩の荷を下ろしルーナを抱き締めた。
「そ、そんなに私の事心配しないでよ…
リヴァイも知ってたんでしょ?私がここへ…残らなきゃならないこと…」
「…あぁ。すまないな。分かってくれるか?」
「…うん。私の精神状態のことを思ってくれてのことでしょう?」
「そうだ」
思っていたよりもすんなり納得し、承諾してくれたような様子のルーナに内心驚くが、なにはともあれ良かったと思った。
いつもの睡眠注射薬を使わなくても済むかもしれない。
「それよりリヴァイ、今度はリヴァイがエルヴィンの所に来てほしいみたいだよ。」
リヴァイはルーナを引き剥がして不機嫌な声を出す。
「あ?俺が?」
「う、うん…」
チッと舌打ちをしてから腫れぼったい目で見つめてくるルーナの髪を撫でた。
こいつともっと触れ合ってたいと思っていたのに…
めんどくせぇ…
そう思いながらルーナの唇に啄むようなキスを落とす。
唇を離すと名残惜しそうな顔をするルーナがいて思わず口角を上げてしまう。
「続きは帰ってからな…」
そう耳元で静かに囁くと、ルーナはビクッと体を震わせてからゾワゾワした耳を擦りながら苦笑いした。
「行ってらっしゃい…」
「あぁ…良い子で待ってろよ」
リヴァイはルーナの頭を撫でてから部屋を出た。