Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第40章 博打
「俺が君の傍からいなくなったとしても、リヴァイがいれば大丈夫だろう。共に支え合って生きていくんだ。最期の瞬間までな。」
ルーナは息を飲む。
どうして…そんなこと言うの…
それじゃまるで本当に…
あなたとこうしていられるのが最後みたいじゃない…
まだ決まった未来じゃないのに
なんで…
ゆっくりと体が離された。
顔を上げると、驚いた表情のエルヴィンがいる。
「ルーナ……」
そして気付いた。
自分の頬に生暖かい涙が零れていることに。
ハッとなってルーナが涙を拭おうとすると、その手をエルヴィンが掴んだ。
そしてエルヴィンは柔らかい笑みを浮かべながらその涙を指ですくう。
「エル…ヴィン?」
「はは…1つ、夢が叶ってしまったな…」
「…え?」
「いつかこうして、愛する人の涙を拭いてやりたいと、ずっと夢見てきたんだ。…ありがとう…ルーナ…」
眉をひそめて寂しそうな顔で優しくそう言うエルヴィンを見上げながら、またとめどなく涙が溢れた。
その度にエルヴィンがそれを拭う。
そしてまたどちらともなく抱き締める。
ルーナは再度確認するようにその厚い胸板でエルヴィンの鼓動を聞く。
幼い頃からずっと、いつだって一緒にこうして時を刻んできた。
だから、、
トクトクトクトク…
一定のリズムで時を刻んでいくこの心臓が、どうか止まりませんようにと心の底から願いを込めて、震える手を這わす。
「ね、エルヴィン…私は…あの頃とはやっぱり変わっちゃったかな…」
「いいや…どこも変わっていないよ。君は君のままだ。」
2人にしか聞こえない呟きが、2人にしか分からない世界で木霊した。