Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第40章 博打
しかしエルヴィンにはひとつ疑問に思っていることがあった。
「しかしルーナ、そのことは本当にリヴァイは承諾しているのか?」
自分の子ならまだしも、そうではないかもしれない可能性が少しでもあった場合、リヴァイを頷かせるのは間違いなく一筋縄ではいかないだろう。
ルーナのこととなると理性よりも感情が勝ってしまうあのリヴァイが、簡単に了承するとは思えない。
「えっと…まだリヴァイには何も…言ってないの…」
「なんだと?!」
エルヴィンはついに険しい顔で声を大きくしてしまった。
それに一瞬ルーナの両肩が動く。
「どういうことだ、ルーナ」
「だって!…だって…まだなにもわからないし、決まったことじゃないから…」
なんという "博打" だ、ルーナ…
確かにまだなんの確実性も証拠もない。
どのくらいの可能性でどっちに転ぶかもわからない。
だとしても…
「リヴァイには言っておくべきだろう。」
「いいの。人類にとっても兵団にとってもこんなに大事なことが目前に迫っているのに変な気を使わせたくはないし…その日にはリヴァイには、私とか余計な存在のことは一切考えずに目の前のことに集中してきてほしいの。それで…ちゃんと生き残って帰ってきてほしい…」
「だが…」
「これ以上リヴァイに背負わせているものを増やす訳にはいかない。これ以上…重くするわけにはいかないでしょ…」
これ以上に重りを乗せてしまえば、
彼は戦えなくなってしまうかもしれない、
沈んでいってしまうかもしれない
そうルーナは言いたいのだろうと思った。
「ハンジはこのことを知ってるから。でもリヴァイにはまだ言わないで。
確証が出てから、ちゃんと私の口から言う」
力強い言葉と玲瓏な眼光に、エルヴィンはもう反論はできなかった。
代わりに、俯いてから薄らと笑みを浮かべる。
「ルーナ、君も…相当な博打打ちのようだ…俺に似てしまったかな…
……はぁ……君を信じよう」
ルーナは寂しそうに笑ってうつむいた。
「…ありがとう…私もエルヴィンの無事を祈っているし、信じているから…」