Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第39章 裂けかけていた糸■
「リヴァイ、読んでほしいものがある」
その日の夜、風呂から上がって2人並んでソファーで紅茶を飲んでいると、ルーナが突然真剣な顔をして折りたたまれた1枚の紙を差し出してきた。
「なんだ、これは」
訝しげにそれを受け取ると、ルーナは少し気まずそうに視線を逸らした。
「あのね…クラムに…手紙を書いたの…」
「あぁ?」
即座に険しく怒ったような表情になるリヴァイに焦るようにルーナが言葉を繋げた。
「どうしても謝りたくて!私は本当にあの子に…悪いことをしたと思ってる。…あ…もちろん1番悪い事をしたと思ってるのはリヴァイに対してだよ!リヴァイには私は、一生償っていこうと思ってる。隣でずっと。」
リヴァイは眉間に皺を寄せたまま、腫れぼったい目のルーナをジッと見つめる。
少しだけ今朝よりも腫れと充血は引いたように思える。
「私は確かに…自分のエゴを情とか言って偽って、あの子を傷つけた。体も心も全部、溺れさせてしまった。」
「それでお前まであいつに引きずりこまれたんだろうが。今更あんな奴に何を伝えるってんだ」
リヴァイは心底不機嫌そうに背もたれに腕を置き、また紅茶に口をつけた。
「だからっ…私にはリヴァイという存在がいて、リヴァイにいつでも引っ張り上げられて、助けられてるでしょ。今回だって…
でも…あの子には今誰もいない。上官だった身としても、最後にきちんと、言葉だけでも救いの手を差し伸べておきたいし、お別れを言いたい。…これで本当に最後にしたいの。」
リヴァイは深く息を吐くと、折りたたまれた紙を見つめた。
どうにもそれを広げる気にはなれない。
「このままじゃ嫌なの。わだかまりや妙な感情を抱えたままでは、私もあの子もいつまでも心が晴れない。これは互いのためでもあるの。それに…リヴァイとは隠し事はナシって約束してるから…だから…それ…」
「…はぁ……わかった」
リヴァイは紅茶を1口啜ってからカップを置くと、隣に座っているルーナの肩を引き寄せた。
顔を自分の胸に押し付けるように片手で抱くと、ルーナの頭に手を置き、髪の毛をいじくる。
そのまま髪に指を滑らせながらもう片方の手で手紙を広げ、ゆっくりと文字を追っていった。