Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第39章 裂けかけていた糸■
「エルヴィン…じゃあせめて…手紙を書かせてほしい」
エルヴィンは手を止めて顔を上げた。
ルーナの腫れぼったい目は、真剣そのものの光を宿している。
「はぁ…ルーナ…」
ガタン
突然ルーナが立ち上がり、頭を下げた。
「お願いします」
ここまで自分の我儘を押し通そうとしてくるルーナは初めてだった。
かと言って、特別扱いはできない。
「…ダメだ。」
「中身はエルヴィンが確認していい。それに返事はいらないときちんと伝えるから。だから一通だけの手紙を許してほしい…お願いします。」
顔を上げずに深く頭を下げたまま強く言い放つルーナに、エルヴィンは目を細めると、ため息一つついて静かに言った。
「…わかった。しかし条件がある。その手紙は俺に確認させるのではなく、リヴァイに確認させろ。リヴァイの許可がおりたらそれをここへ持ってこい」
ルーナは顔を上げて笑顔を作った。
「あ…ありがとう…エルヴィン」
「わかったら即刻仕事を終わらせるぞ。手紙を書きたいんだろう」
「うん!」
またテキパキと仕事を再開し始めるルーナを見ながら、
やはり自分はいつまでもルーナにだけは甘いな…と自分を心の中で罵り、額に手を当てた。
「あ、そうだルーナ」
思いついたように突然呼ぶと、ルーナがペンを止め瞬時に顔を上げた。
「なに?どうしたの?」
「もう一度紅茶の入れ方を教えてくれないかい」
「…は?」
「リヴァイに不味いと言われてしまったのだよ」
「・・・」
その言葉に、ルーナは一瞬目を見開いたかと思えば、徐々に微笑みに変えていった。