Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第39章 裂けかけていた糸■
お節介すぎる情と、自分の罪を誤魔化したいがためのエゴで、偽りの優しさを向けた。
そのせいでクラムという人間の1番弱い部分を掘り下げてしまった。
その結果がこんな大惨事を生んだのだ。
大好きだったあの4人組はもういない。
4人を引き裂いたのは間違いなく自分だった。
4人に渡したあのバングルは、御守りなんかではなく自分のおかしな念がとりついた呪いの異物なのではないかと思ってしまった。
しかしどんなに悔やんでも、もう過ぎてしまったことだ。
後戻りなどできない。
「エルヴィン、私、クラムにきちんと謝りたい。病院を教えて」
「ダメだ」
厳しい視線でキッパリと即答されてしまった。
「ど、して…」
「退団した兵士の情報は誰にも教えられない個人情報だ。なぜならもう我々とは一切無関係の他人だからだ。そしてルーナ、君と彼との間にあったことを考えても、二度と会わせるわけにはいかない。万が一そんなことをしてみろ。リヴァイが大人しく黙っているはずがない。会わせられない理由はあまりにも多すぎる。」
「でも…」
「我儘はよせ。諦めてくれ。」
ピシャリと言い捨てられ、ルーナは押し黙る。
エルヴィンは厳しい表情を張りつけたまま仕事を再開している。
"俺の為だとか言ってあなたのしていた行動は、結局はあなた自身のためだった。それは俺の心を弄んでいた以外に他なりませんよ。"
突然クラムの言葉が脳裏に降ってきた。
違う。
そう否定したいが、それは事実だったと認めざるを得ない。
でも…クラム…
一つだけ本当のことがあるの。
私はあなたを助けたかった。
私の行動が間違っていたのだとしても
それでも私はどうにかしてあなたを支えたかった。
もうそれがエゴだと言われようとなんでもいい。
だって私がしたその行動は全て…
あなたのことを想ってしていた。