Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第39章 裂けかけていた糸■
ゆっくりと体を離してルーナをソファーに座らせる。
「ルーナ、今日は無理はしなくていい。体調はどうだ?」
「ん、大丈夫だよ。むしろスッキリしてるくらいなの。全く問題は無いから仕事をさせて」
迷惑かけてごめんね。
そう付け加えてから眉をひそめて笑った。
エルヴィンは一瞬苦いような顔をしたが、そうか。と一言だけ言ってルーナにやってもらいたい仕事の書類を整理していった。
ルーナはエルヴィンに自分の体の状態についてを言っておこうか迷っていたが、まだなにも決まったわけではないので口を噤んだ。
しかし、一つだけ、どうしても聞いておきたいことがあったので口を開く。
「あの…エルヴィン。…クラムは…どうなったの」
エルヴィンは作業を止めて顔を上げ、真剣な目をして真っ直ぐ言った。
「命は助かったが、精神状態があまりよろしくないのでな。強制的に退団させ入院してもらった。もう君と会うことはないだろう」
そのことはハンジから聞いていたので分かっていた。
しかしエルヴィンの口からきちんとその事実を突きつけられると、胸が締め付けられるように痛くなる。
「私の…せいなの…彼をそうしてしまったのは…全部私のせい」
「それは違うと思うぞルーナ」
遮るように強くそう言われ、口を噤んだ。
「今まで君とあの兵士の間になにがあったのか大まかな内容はリヴァイから聞いている。もちろん君にも非はあるが、あの兵士にだって非はある。罪は五分五分だ。」
そんなことは無い。
自分が全て悪い。
情とかいうエゴで自分を騙し、クラムを騙した。
自分があんなことを言ってあんなキスをしなければ、きっとクラムは今でも自分の傍であの元気な笑顔を見せていただろう。
いくらメリッサとのことで落ち込んで泣いていたとしても、クラムならきっと自力で立ち直れたはずだ。
そしてシンに似たあの笑みと、いつもの元気いっぱいの声で、ルーナさん!と呼んでいただろう。