Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第39章 裂けかけていた糸■
「ルーナ!その顔はどうした!!」
エルヴィンの執務室に入るや否や、やはりと言った反応をされ、ルーナは俯く。
エルヴィンはその様子に顔面蒼白にしながら急いで駆け寄りルーナの顎を上げた。
目が随分と赤く腫れている。
まさか・・・
「あの兵士にやられたのか!?」
その言葉にルーナはハッと息を飲んでエルヴィンの手をそっと退かした。
「ちっ違うよ……」
「ならその顔はなんだ!…そうか…リヴァイに…やられたのか…」
「違う!!そんなわけないでしょ!!」
すごい剣幕で否定され、エルヴィンが怯む。
しかし、次の言葉でその顔は驚きの表情に変わった。
「・・・泣いたの」
一瞬聞き間違いかと思った。
「なん…だと…?」
「泣いた。すごいたくさん…泣き喚いた…
リヴァイの…腕の中で…」
俯いて小さく呟くルーナを、エルヴィンは堪らず左腕だけで抱き締めた。
「そうか…ルーナ…」
奥から絞り出すような声に、ルーナはエルヴィンの背中に手を回す。
エルヴィンの身体が少し震えているのが分かり、ルーナの複雑な感情が蠢き出す。
今までたくさん心配をかけてきた申し訳なさがその大半を締めていて、エルヴィンの大きな体にギュッと力を込めた。
エルヴィンは実は昨夜から一睡もできていなかった。
ルーナのことが心配すぎて、そして今後のことに恐怖していて眠る所ではなく、ただただずっとルーナのことを考えていた。
すぐにでも顔を見て抱きしめたいと思っていたが、リヴァイと2人きりにさせてやりたい気持ちがあったため、グッと堪えていたのだ。
不安に押しつぶされそうなその想いが一気に今弾けて、エルヴィンまで泣きたくなってしまっていた。