Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第39章 裂けかけていた糸■
ルーナは久しぶりに、とても心地よい夢を見ていた気がした。
綿雲みたいにふわふわな何かに全身を包まれているような不思議な感覚。
それがとてつもなく自分の暴れ回っていた心を鎮め、細胞までをも安心させるような…
今まで感じたこともないほどの、柔らかくて優しい感覚。
とにかくあったかくて、このまま目覚めなくてもいいと思ってしまうほどに、ずっとこうしてただ呼吸だけをしていたいと思った。
夢の中のはずなのに、なぜだかこれが夢だと気づいているような、そんな不思議な感覚が、ふわっと現実に引き戻した。
重い瞼をゆっくりと開ける。
「っ!」
目の前に映ったものが、一瞬何だか分からなかった。
まつ毛とまつ毛が触れ合うほど、自分の目の前にリヴァイの大きな三白眼があり、美しい藍鼠色の瞳が見開かれていて目が合う。
「っわ…!」
驚いて急いで顔を離そうとするが、後頭部を手で押さえつけられているのかそれが叶わない。
そのままグッと顔を引き寄せられ、唇を奪われた。
目を見開いたままのルーナの視界には、リヴァイの閉じられた瞼とまつ毛が見える。
すると、唇を押し付けたまま角度を変えて舌が侵入してきた。
「…んん……」
見開いていたルーナの目も虚ろに閉じかける。
いつの間にか、深くて甘い濃厚な口付けをしていた。
蕩けるような快感と、なんとも言えない安心感…
リヴァイとのキスはやはり1番自分を落ち着かせると、
そう感じた。
しばらくして、ゆっくりと唇が離れていく。
リヴァイの手がルーナの頬を滑る。
もしかして、ずっと起きていたのだろうか?
私が目覚めるまでずっと…
そんなふうに思えるくらい、見つめてくるリヴァイの目にはクマがあり、そして美しい瞳は寂しげに揺れていた。