Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第39章 裂けかけていた糸■
その騒音を聞きつけたのか、足音が聞こえてきた。
リヴァイがルーナを抱き締めたままゆっくりと顔を上げると、暗闇の中に誰かが立っていてこちらを見ているのが分かる。
ジッと目を凝らすと、目を見開いてこちらを見ているその男は
…バリスだった。
何かを言い出そうとバリスが口を開きかけた瞬間、
リヴァイが自分の口元に人差し指をかざす。
バリスは口を閉じ、泣きそうな顔で微笑むと
そっと踵を返して行った。
リヴァイにとても大切なことを教えてくれたバリスはこの時2人の光景を見て、いろいろな想いがごちゃ混ぜになり感極まっていた。
どのくらいの間こうしていただろう。
まだルーナはひっくひっくと嗚咽を漏らしているが、
先程までの泣き喚く声はようやく止んでいた。
ルーナの涙や鼻水で、自分の胸元がぐしょぐしょなのが分かる。
しかしそのままルーナを抱き締めたままリヴァイは優しく耳もとで問いかけた。
「ルーナ…立てるか?」
ルーナは嗚咽で声が出ないのか、それとも届いていないのか
…反応がない。
ゆっくりと頭を撫でる。
すると徐々に嗚咽と震えが止まっていった。
リヴァイはルーナを抱えあげて部屋に戻ろうと体を離す。
するとルーナはぐったり脱力していた。
閉じられた目からは涙の跡がたくさんあり、そしてそれをなぞるようにしてまた1粒零れ落ちた。
疲れきったように、そして安心しきったような顔をして寝息を立てている。
リヴァイは涙にキスを落とし、それを舐めとった。
少ししょっぱい感じがする…
涙には塩分でも含まれているのか?
そんなことを思いながらルーナを抱え込み、部屋へとゆっくり歩みを進めた。