Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第39章 裂けかけていた糸■
しかしそれは耳元のリヴァイには辛うじて届いたかもしれない。
ルーナの開かれた脚の間に入り込んで抱きしめているリヴァイの力がギュッと強くなる。
そのとき、
ルーナの中で何かがプツンと音を立てて切れた。
それは、今まで生きてきてずっと、
必死で紡いできた、細い細い糸だった。
どんなときでも、
なんとか立ち上がっていようと…
なんとか笑顔でいようと…
強くあり続けたい。
価値のある自分であり続けたい。
その一心で必死に紡いできた糸は
思っていたよりも全て細く脆く弱く、
そして気が付かない間に限界まで伸ばされ
張り詰められて、とっくに裂けかけていたのだ。
「うっ…うっ…う……っ」
嗚咽のような声を漏らしながら、ルーナが震え出した。
「…ルーナ?」
異変に気づいたリヴァイは、ルーナを抱き締めたまま背中を摩る。
「うっ…んっは…ぐっ…ぐすっ…うっ…」
「っ…!?」
リヴァイは目を見開いてルーナを引き剥がす。
「どうした、ル…」
目の前の信じられない光景に唖然とする。
ルーナは声を上げて泣き始めていた。
「うわぁぁぁあああん!!」
大粒の涙を流して、まるで子供のように泣きじゃくり、
叫ぶような泣き声を漏らしている。
「…ルーナ……」
リヴァイの声は、その大きな泣き声で掻き消される。
「うわぁぁぁあああん!!うわぁぁぁっ」
リヴァイは瞬時にルーナを引き寄せ、後頭部に手を回し、自分の胸へと顔を押し付けた。
くぐもったルーナの泣き声が自分の胸の中へと入り込みそして消えていく。
ギュッと腕の力を強くする。
「ルーナ…もっと泣け」
どんどんと泣きじゃくる声は大きくなる。
「いいぞ、…その調子だ……」
背中をゆっくりと摩る。
「大丈夫だ。俺がずっと聞いててやる…」
お前の心の叫びを。
今まで散々溜めてきた、
虚しさ、悲しさ、悔しさ、怒り、絶望、
全部出し切るまで俺が聞き続ける
そして受け止め続ける。
最期まで。